ウエスト西のP/Sブログ

パチンコ・パチスロを256倍楽しむお話し!

ゴトってどんな行為?【3】

 

 

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□□□ 新旧ゴト比較

 

 空き巣に入って金品を持っていくという犯罪は大昔から存在していました。現金や貴重品だけではなく戦中戦後は食べ物を盗んでいく泥棒も多くいたそうです。ふかしておいたイモを盗んでいったり、おひつに入れてあったご飯を食べていくといった目の前の空腹を満たすための犯罪もありその時代を映しています。現在では食品の盗難といえば倉庫に保管していたお米やさくらんぼが盗まれたというニュースをたまに目にする程度です。一方むかしは存在しなかった犯罪と聞いて真っ先に思い浮かべるのはインターネット上の犯罪です。個人情報を抜き取るフィッシング詐欺や不正アクセス等ハイテク犯罪と呼ばれる犯罪が増えてきました。テクノロジーの進化に伴い犯罪の形態も変化していくのでしょう。

 パチンコ店におけるゴトも同様で昔はパチンコ玉を磁石で引き寄せて任意の入賞口へ誘導するゴトや釘そのものを曲げるゴト、ピアノ線を利用してチューリップを開いたりするゴトが主流でした。近年、と言っても数十年経過しましたがパチンコ・パチスロ機に使われる電子部品に干渉して不正に玉・メダルを抜き取るゴトが出回ってきました。磁石などのアナログなゴトを「ローテクゴト」電子関係を操作するゴトを「ハイテクゴト」と呼ぶ場合もあります。この「ハイテクゴト」においてはゴトを防ぐメーカー側のセキュリティとそれを突破するゴト師側の攻防が絶えることなく続いています。

 ハイテクゴトにおいては遊技台のセキュリティ上の抜け道を見つけ出すために実機を用意したりゴトを行うための機器を作製したりと大きなお金が必要と思われる事案も多く見受けられます。当然1人の能力、財力でできる犯罪ではなく大掛かりな組織が動いていると感じます。また大きなお金があれば業界関係者にも協力者を得ることができゴトが巧妙で発覚しにくいものになっていきます。人間ですからお金の誘惑に負けてしまったり、弱みに付け込んだ脅迫に屈してしまったりということが十分に考えられます。台を作るメーカーからその台を流通させる運送業者や倉庫会社、そして台の設置先のパチンコ店まで業界内部の人間がゴトに加担している場合も少なからずあると考えられます。

 

  • 電子機器を使ったハイテクゴトが出現
  • 磁石や釘曲げのローテクゴトも健在
  • 業界内部にもゴト行為に協力する者がいる

 

 

□□□ ゴトの代表例 ショートゴト

 

 5号機でいわゆる高射幸機と呼ばれる機械が特にショートゴトのターゲットにされてきました。1万枚の出玉が出ても不思議ではないAT機を中心に不正にメダルを抜き取るゴト行為が猛威をふるったのです。その名の通り基板の一部にピアノ線や金属片を触れさせてショートさせ通常と違う動作をさせるゴトをショートゴトと呼びました。ATゲーム数の上乗せや小役の押し順をナビして出玉に直結するような処理をしていたサブ基板と呼ばれる基板が主に狙われました。このサブ基板をショートさせて誤作動を起こさせボーナスや小役の抽選を行っているメイン基板からの情報を誤入力させていたのです。例えば超チェリーやスイカなどのチャンス役が何十、何百と成立しているかのように誤認識させゲーム数の上乗せやゲーム数上乗せの特化ゾーンを成立させていたのです。5.5号機から現在の6号機までその反省を踏まえ出玉につながる指示をサブ基板で行えなえないように規制されています。

 こうして大量にATのゲーム数を増やして大量のメダルを不正に引き出すのです。アナザーゴッドハーデスやモンスターハンター月下雷鳴で5,000枚のメダルが出ていても、もともと大量の出玉が出る性能が備わっているので例えゴトでメダルを抜かれていてもなかなか気づけません。

 ここからは私の素朴な疑問と推測なのですが、なぜショートするとゴト師に都合の良いようにATゲーム数が上乗せされるのでしょうか。私は電子回路に関する知識が全く無いのでそこが不思議です。ショートしたならそのまま壊れてしまってもいいのにうまい具合にゲーム数が上乗せされてメダルがたくさん出てしまうのです。ショートしたらレア役の成立ではなくハズレの成立ではいけないのでしょうか。ショートさせた場合にメダルがたくさん出るように最初から設計されていたのではないかと邪推してしまいます。

 

  • 台の電子回路をショートさせて誤作動を起こさせる
  • 誤作動で誤ったコマンドが送られレア役が大量に成立したとみなされる
  • 結果、不正に大量のメダルを引き出される

 

 

□□□  ショートゴトその手口

 

 電子回路をまじまじと見たことはありますか?ダイオードやコンデンサ、ICチップなど様々な電子部品が回路にハンダ付けされていますがその一つ一つはとても小さなものです。この小さな部品のさらに小さな「足」と呼ばれる、ハンダ付けされている部分にピアノ線や金属片を接触させてショートさせるのです。台の扉を開けた状態でもピンポイントでショートさせるのは難しいのですがゴト師は台の扉が閉まった状態でもショートを成功させてしまうのです。悪人ながらもその技術には舌を巻きます。

 そしてこのショートゴトは必ず複数で犯行に及びます。最低でも基板をショートさせて台を誤作動させる役の者(実行犯と呼ばれる)と、その台を実際に打ってメダルを出す者(打ち子と呼ばれる)の2名が必要になります。なぜなら万が一犯行が発覚した場合、2名で不正を行えば警察に捕まることを防ぐことができるからです。実行犯はターゲットとなる台をショートさせすぐにその台を離れます。その直後に共犯である打ち子が着席しわずか投資1,000円ですでにショートでセットされていた当たりを引くのです。不正にメダルが抜き取られていることにパチンコ店が気づいた時には、すでにショートさせた実行犯は店の中にいません。ショートされた台を打って大量のメダルを持っている打ち子と実行犯のつながりを実証することが難しくなります。打ち子が「空き台に座って打ったらたくさんメダルが出た」と言ってしまえば罪に問うことはできません

 ショートさせる場合ピアノ線などの器具を台の内部に挿入させる必要があります。スピーカーを突き破ったりボタンやレバーの間に隙間を作ったりドアの間を無理やり広げるなど様々な侵入経路があります。ショートさせるまでに店員や他の遊技客に見つかる場合があるので実行犯と打ち子以外にも周りの目から犯行現場を隠すための「壁役」、店員に話しかけ足止めをする「キャッチ」などの役割を分担してチームでゴト行為に及びます。実行犯の隣に一般客が座ってはゴト行為がしにくくなるので両隣の台に壁役として共犯者が座ったり、データランプを見ているように装って立ち上がり該当台が見えづらいように死角を大きく作ったりします。上着を広げて目隠しをするといった「余計に目立つだろう!」と突っ込みたくなるような壁役ゴト師もいました。キャッチは店員に「会員カードを作りたいんだけど」「この台はどうやって遊ぶの?」などと話しかけゴト現場に行けないように妨害する役割です。どの役もお互いに赤の他人を装っているのでつながりを証明するのはかなり難しくなかなか逮捕送検されません。リスクの少なさ(対警察という意味での低リスク。他のゴトグループとの争いやゴトグループをまとめている反社会勢力の人たちとの接触のリスクは存在します)ゆえに大量のゴト師を生み出しました。

 

  • ハイテクゴトは複数で行い役割分担をする
  • 役割ごとのつながりを立証することは困難
  • 対警察の観点では低リスクのためゴト撲滅は難しい 

 

一時期猛威をふるったショートゴトについて簡単に書いてみました。電磁波ゴト、基板交換ゴト、クレジット計上ゴト、ホッパーゴトなどなど機会があればまた書いていこうと思います。

 

それでは、また。

 

 今後も当たり前の常識から、意外とみなさんが知らない話まで幅広く記事を書いていこうと思います。

 

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