ウエスト西のP/Sブログ

パチンコ・パチスロを256倍楽しむお話し!

怪しいお客・怪しい店員【1】

 

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□□□ パチンコ店にあつまる人々

 

  いろいろなお客、店員を、私自身もお客、店員の立場でそれぞれたくさん見てきました。パチンコ店という一種特殊な環境に人が集まるのですから普通とは違う怪しい人びとが世間一般より濃い密度で存在していても不思議ではありません。少し変わった方々が集まるのがパチンコなのか、パチンコ店に集まるうちに変わった方々に変容してしまうのか、こんなことを書くとパチンコファンやお店の人に怒られてしまうかも知れませんがやはり私は少し普通と違う怪しさを感じてしまうのです。最近のパチンコ店は店内もきれいになり若いスタッフが丁寧な接客を行い昔ほどの怪しさは無くなってしまいましたがそれでもそこはパチンコ店、お金が、感情が動く場ですから様々なドラマが今日も生み出されていることでしょう。私の印象に残っている少し変わった、少し怪しい人々を紹介していこうと思います。

 

□□□ お願いです!お金返してください!

 

 あれは獣王などのいわゆる爆裂AT機が全盛の頃でしょうか。今の6号機に比べ1日に使うお金も大きく射幸性の高い台が人気を占めており、当然リターンも5,000枚10,000枚と大きく多くのファンを夢中にさせていました。夢中になるだけならまだしも大きなリターンを求めてお金のコントロールができなくなっているプレイヤーも多く存在していたと想像できます。

 そんな中で今でも忘れられないお客がいます。おそらく私はそのお客を見たのは、はじめてだったと思います。パチンコ店の店員はお客の顔を割と憶えているものでそのお客がはじめての客なのか、そうでなければどれくらいの来店頻度の客なのかはおおよその見当がつきます。なによりそのお客は肩まで伸びるきれいなストレートの黒髪で、年の頃は20歳位の色白美人だったので以前に見ていれば記憶に残っているはずです。胸のボリュームがはっきりわかるちょっと小さめのTシャツの鮮やかな水色も記憶に残っています。彼女は何の機種を打っていたのかまでは定かでありませんがスロットを遊技していました。昼過ぎに現れて私に話しかけてきたのは夕方を過ぎて外が暗くなってきたころです。目立つ美人でしたが男性と一緒に来店している気配もありません。その彼女が今まで私が受けたことのない衝撃の一言を放つのです。

 「お願いです。お金を返してくだい」

 黒目が広がったその目から今にも涙があふれそうです。続けて彼女は言いました。「どうしても必要なお金なんです。お願いです返してください。もし返してくれればもう二度とスロットを打ちません」そう言い終わるころにはもう目から涙がこぼれていました。いままで負けが込んだお客から捨て台詞のように「金を返せよ」と言われたことはありましたがお金を返してくれという要望を上げて私の返答を待っている状況というのは初めてでした。遊技客が使ったお金をお店が返金することは100%ありません。目の前の美女が涙を流して私に何かを訴えかけているという状況にドギマギしていましたが答えはひとつしかありません。お金を返した挙げ句に二度と来ないなんてお店にとってデメリットしかありません。私は心を鬼にして返金には応じられない旨を伝えました。遊技したことに対する対価をいただかないとお店が成り立ちませんというようなことも言った気がします。年齢的にもまだまだ世間知らずでさらにそのルックスではある程度のわがままがいままでは通って来たのでしょう。

 

 

□□□ 数日後にまた顔を合わせることに

 

 ストレートにお金を返してくださいと頼まれたことにかなり私は衝撃を受けました。そして必要なお金とはいったい何に使うお金だったんだろうと思いました。もう二度とこのお店には来ないだろうし、どうやって必要なお金を工面するのでしょうか。

 しかしわずか2,3日後に彼女は再び来店したのです。スロットコーナーに入ってきた彼女はちらっと私の顔を見た気もしたのですが特に表情を変えるでもなく普通に遊技していました。お金の件は方が付いたのでしょうか世の中の厳しさをわずかの期間で理解して納得したのでしょうか。その後も常連と呼んでいいペースで来店し、普通のお客と同じでスロットで勝ったり負けたりを繰り返していました。わたしはあの一件があるのでなんとなく気まずい思いをして彼女の来店にビクビクしている状態でした。

 そのころの私にはS君という仕事終わりにご飯を食べに行ったり休みの日に一緒にパチンコを打ちに行く仲の良い同僚がいました。仕事が終わりどこにご飯を食べに行こうかと話しかけると珍しくS君は自分の住むアパートに来るように言ってきたのです。S君はワンルームのマンションに暮らしていました。部屋の中はきれいに片付けられていて大きな音楽用のコンポが置かれていました。そして小さなキッチンには女性が立ち、揚げ物を作っていました。そう、その女性が例のストレートの黒髪の彼女だったのです。お客と店員が男女の仲になるのは特に珍しいことではなく、特に珍しくもないS君からのアプローチで彼女、Yさんとの交際に至ったそうです。キャベツの千切りが細く均一に切られていて妙に感心したこと、ワンルームにロフトが取り付けられていて狭いけれど若い2人には十分な寝床だなと思ったこと、この2つを憶えています。その後も何度か3人で食事をし、向かいに2人並んで座りいつも仲良さそうにしている様子を私は眺めていました。S君は当時働いていた店にも押し寄せてきた「接客サービス」を求める流れについていけず退職をしましたがYさんとは7~8年も交際が続いていました。私も仕事が忙しくなり疎遠になり連絡を取らなくなって2年ほど過ぎた頃S君からメールが来ました。それは結婚を知らせるものでもう籍を入れて結婚式を控えているという内容でした。私も昔を思い出しつつ「少し交際期間が長かったけどいよいよYさんと結婚ですね。おめでとう」当時は携帯で打っていたメールの文字をスマホで入力して返信。返ってきたメールには私の想像とは違う内容で、昨年知り合った女と結婚しましたとだけ書かれていました。連絡を取り合わなくなったわずか2年の間に状況が変わってしまったことに驚きましたが、逆に2年もあれば別の人と知りあい結婚を決めるまでに十分な時間なのだと思い直しました。そしてついぞあの日彼女が涙ながらにお金を返してほしいと言ってきたことをS君が知っていたのかを聞けなかったのです。

 

 今日は今までと違った内容の記事を書いてみました。最後まで読んでいただきありがとうございます。

 

 それでは、また。

 

 今後も当たり前の常識から、意外とみなさんが知らない話まで幅広く記事を書いていこうと思います。

 

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